16号台風接近中
突然の「蜂の巣」と言う標題に驚かれたかもしれません。ここ数ヶ月、ご来店される複数のお客様。特にご年配の(還暦過ぎた私が言うのですから、かなりご高齢(^-^*)ですが)お客様が異口同音にこの話をされるのです。
わかりやすく解説すると、「蜂が巣を低い位置にかけるのには理由がある。高い位置だと外敵から身を守るには適しているが、風が強いと巣が飛ばされてしまう。それでも巣を低くかけるのはこの年に台風が多くやってくるのを蜂たちが知っているからだ!」ということだそうです。
先輩のおっしゃることは大当たりでした。先の台風9号、10号、11号は北海道や東北に過去経験したことがない様な大被害をもたらしました。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
九州では、今年の夏はほとんど雨が降りませんでした。佐世保周辺では地域差もありますが、40日近く夕立すら来なかったとおっしゃるお客様もいらっしゃいました。それが月末になって一転しました。10号11号の軌跡は東北北海道だけを狙い撃ちした様な変則的な台風でした。九州にとっては勢力の弱い台風の左半分だった影響で、結果的に恵みの雨をもたらしてくれた格好になりました。
さらに、10号ほど強い台風ではありませんでしたが、12号台風が変な曲線を描いて上陸しました。この台風はすぐに熱帯低気圧になってしまいましたので、九州地方には恵みの雨の第2号となってくれました。
自然災害というのはそうしたものでしょうが、振り返ってみると正にマグレ?偶然?としか表現のしようがありません。10号台風がコースを替えなかったら東北北海道ではなく、西日本が大洪水に見舞われていたでしょうし、恵みの雨どころではなかったでしょう。
大災害か、恵みの雨か、今回ほど台風の進路に右往左往したことはないような気がします。
さて、日照りが続いて、何度も人参の発芽に失敗したお客様が、10号台風の接近と共に来店されました。雨が降りそうだから今日種を蒔きたいと種を買いに来られたのです。
「雨が上がってから蒔いた方が良いのでないですか」と、言いかけて止めました。
「雨が降ったら翌日に畑に入れるとは限らない。種が蒔ける様になるのに最低でも数日かかる。高冷地ゆえ人参の播種は既に限界期。もう時間がない!」と大ばくちを打つつもりで来店されたのだろうと考えたからです。実際、後日談はその通りでそのバクチは大当たりでした。
そのお客様にとって、大ばくちを打たなければ今年の人参がダメになっていたかもしれない分水嶺だったのだろうと思います。今回はまぐれにもそのカケは当たりました。10号台風のコースが逸れ、11号台風では小中学校の休校が宣言されたにもかかわらず台風らしい風も吹きませんでしたから。
今回と同じように、「雨が降るから種を蒔く」と言ってご来店されるお客様が多いのに驚きます。でも通常は余裕を持って「整地を済ませ、降雨の浸透を待ってから種を蒔く」が常道だろうと思います。種を蒔いた後強い雨にたたかれると発芽せず大失敗だからです。
ネットで見れるズームレーダーの予測は大変な精度だと驚きますが、予測時間がせいぜい6時間くらいです。参考にはなりますが、種まきをするか否かを賭けるのにはリスクが大きすぎる気がいたします。
「雨後に蒔いた方がよい」と分かっているのに、「雨前に蒔いて大僥倖!」というとても希な経験をさせて頂いたお話しでした。今まさに、945hPaの強い16号台風が九州に向かって再接近しております。今回は僥倖どころではありませんが、どうか大きな被害が出ません様に・・・