大蔵(おおくら)大根
【店長より】
◆大根の多様性について
現在の大根界(笑)は青首一辺倒になってしまいました。別の言葉でいえば多様性が失われつつあるともいえます。こういう書き始めをしたのは当然白首大根のよさも見直すべきという考え方もあるということです。
長崎県西海町では海から吹き上げる寒風に”ゆでた細切り大根”をさらしして作る「特産ゆで干し大根」が有名です。この原料になる大根は何が何でも!「大蔵大根」でなければいけません。総太り系青首大根でも、漬物用大根でも、聖護院みたいな丸大根でもダメなのです。絶対に「白首」の大蔵大根でなければいけないのです。
◆大蔵大根の長所と短所
肉質が青首総太り系より緻密あるいは若干固めであること。だからおでんなどには「あごおち大根」や「YRくらま」などが万人向きなのは間違いありません。しかし、加工大根としては水分が多すぎたり柔らかすぎたりするのは向きません。みそ漬けなど固めの大根が向く料理方法には大蔵が良いという方もいらっしゃいます。
青首大根は在圃が長くなると青さしと言って内部まで青くなる場合がありますが、白首大根だと全くその心配がありません。ス入りは遅い方なので1月くらいまでは十分在圃できます。
一方、大蔵大根は少々固めの肉質です。若干収穫適期が遅くなりますし大型になって重すぎるという方もいらっしゃいます。収穫が遅れると尻部が肥大してくるので、引くのに苦労します。直売所などで販売するのは核家族化もあってやや重すぎるのが欠点となるかもしれませんね。
このように現在では非主流となった大蔵大根ですが、捨てがたい魅力もあります。原種の多様化という意味でもラインナップに残したい思いからとりあげました。
【栽培法】
いたって容易です。耐病総太りやあごおち大根の項目を参照していただければ十分です。ただ、付け加えるとすれば、大きくなりますので、若干広めの株間25cm〜30cm。よく耕してあげ畝をすること。元肥を多くやりすぎないこと。あまり遅く蒔かないこと。などに注意すればよいだけです。
※大根一般についてはこちら、 栽培説明書はこちらを参考にしてみて下さい。