明けましておめでとうございます 2017.1.1

光、二酸化炭素、有機物、肥料・・

 

当店の古くからのお客様にさしあげております年賀状と同じ文面で申しわけございませんが、

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

年末から早くアップしようと頑張っていたのですが、歳をとるにつれ自分より周囲の時間のスピードが速くなってしまったようで、年が明け5日も経ってしまいました。※CO2 の増加グラフは気象庁HPより引用させていただきました。

 

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あけましておめでとうございます     平成29年元旦
昨年、申年は荒れる!

蜂が下のほうに巣をかけているので台風の当たり年だ!

と、しばしば耳にしておりました。どうやら先達の予言通りになってしまいました。 災いを福となすため、今回のテーマは「光」です。動物は食物からしか栄養を摂取することはできません。一方、地球温暖化の元凶だと悪者扱いされている炭酸ガスこそ、植物にとっては大切な栄養であることを昨年書きました。植物の体は炭素と酸素と水素で(乾物組成の)92%を占めていますので、炭酸ガスを含む空気と水があれば残りの8%だけを土壌から栄養として摂取すればよいのです。動物とは大違いです。8%の内訳は窒素と石灰(カルシウム)と灰(カリウム)に加え、苦土(マグネシウム)と燐(リン酸)や、ホウ素や亜鉛などのわずかな微量要素です。

お気づきの通り、肥料としての必要量はこの8%に過ぎません。
自明のことですが92%が8%より10倍以上大切です。しかし一般的にはどんな堆肥や有機質を使い、何という肥料や土壌改良剤を使えば良い野菜ができるかを気にしすぎてはいませんか?
肥料より10倍効果的な栄養源を吸収させる仕組みが炭酸同化作用です。光合成ともいいますがエネルギー源は光=太陽可視光線になります。
低気圧、前線、寒気団、そして台風などによる厚い雲が光を遮ります。光が不足すると先の92%を支える光合成が弱まるだけでなく、残り8%の養分の吸収にも影響が出てしまいます。
例えば、玉葱はキャベツや白菜と同じ構造の結球した葉っぱ!ですが、「光」不足で葉自体が太らないのは当然のこと、葉数が不足するので丸くなってはくれません。昨春、玉ねぎの不作は低温やべと病の発生と言われておりますが、栄養を製造し玉状に貯蔵するための光エネルギーが不足したことが根本要因です。
古来より「旱(ひでり)年に不作なし」と申しますが、秋野菜高騰も、つまるところ肥大エネルギー=太陽光線の不足が原因です。肥料や、農薬や、人工的な資材をいくら使っても元々のエネルギーが足りないのだからバランスシートが釣り合う訳がないのです。

 

◆株間を十分にとった疎植栽培が有効です。葉緑素活性剤も効果的。
◆日当たり、南向き、南傾斜など、畑選びが大切です。トンネルやハウスの古い被覆資材は新しいものに交換しましょう。

◆日照不足→曇天や雨→多湿→土壌の酸欠、病気の発生→腐敗、枯死 という悪循環のが始まるのは明白。 高畝、暗渠排水、深耕、土壌改良・・・など畑の物理的な改善が効果的だと思います。

◆窒素はタンパク合成のエネルギー源です。体の肥大に応じて少しずつ与えることが大切です。でも多すぎると病気の原因となります。
◆石灰は(積極的な吸収を伴う他元素に比べ)、濃度差と蒸散によってゆっくり移動します。根が深く張っていないと体中に行き渡らないので移植痛みや老化苗では欠乏症が出ます。結球した白菜やキャベツやレタスの内部の腐敗、トマトの尻腐れ、ネギの葉先枯れなどが具体例です。

 

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※なお、乾物組成のデータは全肥商連発行/施肥の理論と実際より引用いたしました。

炭素:45.4% 酸素:41.0% 水素:5.5% 以上で約92%

窒素:3.0% カルシウム:1.8% カリウム:1.4% 硫黄:0.3% マグネシウム:0.3% リン:0.2% マンガンやホウ素や亜鉛などの微量要素はすべて0.1%以下

 

例えばざっと計算してみましょう。

キャベツは10aあたり約4500株できるとして、1株:約1.5Kgくらいだとすると4500×1.5=6750Kgです。

乾物組成は水分を除いた値なので、約10%=1/10。

すると、キャベツの乾物重量は6750×1/10=675Kgとなります。

窒素は約3%=3/100含まれているとするなら、

675×3/100=20.25Kg。

例えば畑に残留窒素が5Kgあったとすれば約15Kgの窒素を補給すればよいことになります。
キャベツの10a当たりの肥料設計として窒素15Kg/10aを元肥として施肥するのが一般的ですので、上記の計算はほぼ間違ってはいないと思います。

 

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さて、トランプさんが大統領になる今年はどういう年になるのでしょうか。中国や、韓国や、北朝鮮、EUも不安材料がいっぱいです。予測がつかない!これまでにない激動の年になるような予感がいたします。
特に佐世保にいると感じるのですが、佐世保湾内の米軍の艦船や自衛隊の艦船の出入りが激しいのです。米第七艦隊の最新鋭情報収集艦(今まで見たことのないようなステルス形の艦船)や強襲上陸艦など一線級の艦船をよく目にします。日本のイージス艦6隻のうち半分が佐世保を母港としていて3隻が並んで係留されているのですが普通なんですが、最近はいたり、いなかったりが頻繁です。

かつてはこのような情報は軍事機密だったのでしょうが、市内を南北に走る高速道路より佐世保港内が一望できるので誰でも簡単に観察できます。また、佐世保には陸上自衛隊の基地があるのですが、米海軍の海兵隊に相当する緊急展開部隊が配備され、オスプレイも飛んできます。

あまり報道されませんが、尖閣への中国の侵攻へと北朝鮮のミサイルへの備えだと思います。中国に最も近い日本列島の西端だからこそ感じられる予兆なのでしょう。
2017年が何事もなく過ぎていくのを期待してはいるのですが、内心は、とても緊張しています。(佐世保より)