スーパー超極早生玉葱の業界話!
スーパーアップは日本で最も早くとれる玉葱として注目を浴びている品種です!詳しくはこちらをご覧ください。
さて、今日、スーパーアップの育種元である愛知県のアカヲ種苗さんの専務さんがお見えになりました。
ちょっと早いですが、秋の種の予約のために取引先を回っておられるのです。
こんな業界珍しいです。得意先を一軒、一軒訪ねてこられるのです。ほんとにご苦労様です。当店も、アカヲ種苗さんには父の代からお世話になっており感謝しておりますが、仁義に厚い会社だと特に信頼しております。
さて、なんの話で盛り上がったかというと、やはり、玉葱、それも超極早生系の玉葱の話でした。とてもおもしろかったので、ご紹介します。現場で体験しなければわからないような初めて聞くようなお話だったので特に興味を引いたからです。
●玉葱は種を蒔いて、次の種を取るまで、足かけ三年、丸二年を要します。当然その間の天候変動により採種量が著しく増減します。他のメーカーが海外採種をする中、アカヲ種苗さんは国内採種にこだわっておられます。純系選抜のため特に熟練を要すからだそうです。しかし、ここも最大の泣き所は「高齢化!」種どりをしてくれる熟練農家の確保がとても大変だそうです。昨年も一人がお亡くなりになり、計画通りの採取量を確保するのがとても大変だったそうです。
●早生の玉葱は10a(300坪)当たり50Kg位しか種が採れないそうです。ちなみに中晩生系は平均250Kgも採れるそうです。50Kg=100L位です。すると一般に農業用として販売している種子は2dl入りの缶詰ですので、500缶分位です。人件費、農薬、肥料代、施設償却費を考えるととても割に合わないそうです。
大手のタ○○や七○などのメーカーは極早生系の玉葱の育種や生産を止めたそうです。これらのメーカーが中晩生系に特化して生産販売を続ける直接の理由はここにありそうです。何せ、早生は1/5の収量しかないのですから。ご存じの通り、早生も晩生も価格はほとんど変わりませんから、早生を育種生産するメーカーは大変なわけです。しかも、外国採種が多い中、国内採種にこだわるのはとても大変なことだと思います。
ガンバレ!! アカヲ種苗さん。 そして、この秋、スーパーアップの種いっぱい期待してますからね!
●玉葱の採種を安定させるには授粉が最も大変だそうです。新型の送風機を導入して、風で花を揺らし、授粉を確実にする用にしたというお話はおもしろかったです。また、専務自ら、採種畑に日参し、玉葱の生育状況を監視していらっしゃるそうです。
ミツバチが玉葱の授粉には、最も効率的だそうですが。玉葱の花はあまり魅力的ではないらしく、ミツバチの箱の設置の仕方によっては玉葱の花になかなか集まってきてはくれないそうです。ミツバチの生態を一から勉強しなければならず、とても大変だったとか。例えば、ミツバチは早朝日の出の方向へ直線的に行動する傾向があるらしく、巣箱は畑の東側に設置するのが効率的であるとか・・・いろいろノウハウが必要だとのこと、ご苦労様です。
一反=10a=300坪あたり、ミツバチの巣箱二箱が必要だそうです。一箱2万円以上するそうですから、コストも大変!とかおっしゃってました。
こんな貴重なスーパー超極早生玉葱「スーパーアップ」、皆さんにたくさん栽培していただいて存分に儲けていただきたいと考えているのですが、何せ人気爆発!需要と供給のバランスが全くとれていません。本年度もこれ以上予約をお受けするわけにいかず本日で受付を終了することにしました。ご予約いただいた方にもアカヲさんの生産の状況によっては按分となることも大いに予想されます。その折はご容赦ください。先に述べたような諸事情をご配慮いただければ幸いに存じます。
あと三年すれば生産量が倍増できるとかおっしゃってましたが、ここ二年ほどは極端な入手不足は続くものと予想されます。入手された方はラッキーと思って大事に栽培してくださいね。
以下はあるお客様のうまくいかなかった事例です。
生育途中の玉葱畑 なかなか太らないので見に来てくれと言われて数日前撮影してきたもの。
早生系の玉葱は如何に年内に肥大させるかがポイントです。今年は定植時に乾燥し、冬の低温が厳しかったため、畑によっては非常に生育が遅れているところもありそうです。
低温、乾燥、堆肥不足、少ない元肥・・・などが原因ではないかと思うのですが?