啓蟄も過ぎもうすぐ桜の季節かな?

急激にあったかくなっていく今!
何に気をつけなければいけないのか?
スーパーアップ玉葱の収穫のレポートがたくさん寄せられています。
また、いろいろなご質問をメールや電話で受けるようになりました。
皆さんの疑問に触発されて、植え付けで忙しくなる春本番を前に、いくつかのポイントを再確認してみたいと思います。


今蒔ける種は?早春時に注意すること

野菜は、大きく分けると、葉もの、根もの、実ものです。葉根菜は一般に冬野菜とよばれ、収穫期の旬は秋~冬です。果菜類は一般に夏野菜といい、気温が高い晩秋~早秋ころまでが栽培適期です。
つまり、冬野菜の旬が過ぎようとし、夏野菜の旬が近づいているというのが今現在の3月上中旬の認識で間違いないと思います。

葉ものの大半を占めるアブラナ科は低温でトウが立ちます。その低温の目安は播種後1ヶ月間の平均気温が10~15℃以下と思って下さい。佐世保では桜の満開になる時期がその頃です。

小松菜、青梗菜、水菜、白菜などのアブラナ科の菜類、大根、蕪など大半はこの桜の満開になる時期、だいたいお彼岸以降なら露地蒔してもトウ立ちしなくなりますので、被覆をしないならもう少々待って種まきを開始してください。アブラナ科の例外はキャベツや(ブロッコリー)です。これらはプラントバーナリーといって1月以降でしたら低温の影響は受けませんのですぐにでも蒔けます。

一方、アブラナ科以外の葉根菜、ほうれん草やレタスは長日高温下でトウ立ちしやすくなりますから、できるだけ早めに種まきするようにして下さい。

人参や、牛蒡や、葱などは梅雨のことを考えると早めに種まきした方がよいでしょう。
インゲン、枝豆、トウモロコシなど露地蒔の果菜類は桜の花が散ってからが露地蒔の適期です。発芽温度は30℃を上限に高いほどよいので、可能な限り地温の低下に注意しながら種まきして下さい。
一週間遅れても平気です。夏場は温度も日照量も時間と共に上昇しますので一日で取り返せます!
特に、トウモロコシ、オクラ、苦瓜、冬瓜などは20℃以下の低温に長くさらされるとものすごく発芽力が弱くなります。十分ご注意を!

このブログで何度も書きますが、
春は人の蒔いた種が芽を出してから種をまけ!
秋は人より一日でもはやくたねまきしろ!」を教訓としていただければ幸です。
皆様のご質問から何点か


交雑の観点から・・・同じ畑に、違う品種の果菜類を種まきして大丈夫?
トウモロコシ以外は大丈夫だと思います。なぜか?
トウモロコシは雄の花粉がかかった雌の体にできた種を食べます。だから種自身は雄と雌の雑種です。
しかも風媒花なので遠くの株の影響を受けます。異品種の混植は避けて下さい。
トウモロコシ以外は、例えば、スイカや南瓜など、色とりどりの品種がありますが、食べる部分は種ではなく、母親の体の一部の果肉部分です。だから母親自身は受精によって変化しませんので、理論的にも母親の形質を100%受け継いでいるので大丈夫なのです。スイカやピーマンやトマト、ナスなども同じです。

 


オクラが芽が出ません。オクラを移植したらうまく育ちません。
オクラはゴーヤや朝顔と同じように硬い種皮に覆われています。自然界では多く種がばらまかれる品種ほど良い形質を子孫に残すためわざと芽が出にくくコントロールされているようです。皮を固くすることによってそれを破って発芽でき得る強い個体のみを選び出す仕組みが遺伝的に備わっているからだと考えます。しかし、自然界では何万というこぼれ種がばらまかれるのに対し、人間の種まきはその何百分の一か何千分の一に過ぎません。だから発芽の効率をよくするためには手助けが必要なのです。

①できるだけ地温が高くなる頃、やや遅めに播種すること。露地では4月後半が良いかと思います。オクラは冬までなり続けますので、半月ほど遅くなっても大勢に影響はありません!!
②種皮に傷を付け、弱い力でも発芽できるように手助けしてやること。直接刃物で傷を付けても良いですが、危険なので、爪切りとか使うとうまくいきます。数が多い場合は粗い砂でもんでやると良いと思います。
③長い浸漬処理は酸素を遮断します。短時間の浸漬処理に努めます。

また、オクラの根は細根が少なく、一旦傷が付くと再生しにくい性質があるので移植する場合は細心の注意が必要ですし、可能なら直まきが無難です。

 


イチゴにうどん粉病が出た。あるいはエンドウにうどん粉病が出た。その後に南瓜を植えたらうどんこ病がでやすくなるのでは?

イチゴはバラ科、エンドウはマメ科、南瓜はウリ科。病気にもよりますが、普通は鳥のインフルエンザは人間にうつらないように宿主が違えば病原菌のレースが違うの普通です。私はエンドウと南瓜で確認していますが、移りません!ご安心を。

鳥インフルエンザが怖いのは常識を打破する強い感染力を持った突然変異種が出現したからです。当然効く薬がなく有効な予防ができないからです。

ただし、野菜作りでは、同じグループに属する野菜を連作すると前作の影響をもろに受けますのでご注意をまた、野山に自生するペンペン草でさえ畑のアブラナ科野菜に越冬害虫を振りまき、病気の感染源になったりしますので同類の植物の混植には注意を怠ってはならないと思います。