スーパーアップ玉ねぎ の詳細レポートです!
~育種御本家よりメールを頂きました。
育種元のアカヲ種苗(株)の専務様から成分分析の詳細なデータと味覚試験データをご提供いただきました。許可を得て公開させていただきます。専務様ありがとうございます。
拡大してご覧下さい!
以下はDesignerFoods社に依頼し成分分析を行った結果得られたデータと考察です。
※は私の責任で補足しております。
同生産者様によって栽培された「スーパーアップ」は「新玉葱(平均値)」と比較して、ビタミンC含有が約2.3倍高い値です。これは新玉葱の最高クラスを超える高い値でスーパーアップを特長づける性質だと断言できます。
「スーパーアップ」は見た目の糖度(後述)はやや他の新玉葱より低い値ですが、抗酸化力は逆に勝り、亜硝酸イオンは通常の1/2以下です。
※抗酸化力は活性酸素を押さえる働きであり、老化しにくく癌化を押さえる指標として大きいほど良いといわれています。
※ビタミンCは有名な抗酸化力がすぐれたビタミンです。
玉葱の抗酸化成分にはビタミンCの他に、辛み成分である硫化アリルやポリフェノールの一種であるケルセチンなどがあります。「スーパーアップ」は見た目の糖度はやや低く、辛みがやや強く感じられます。一方、抗酸化力値が大きいということはビタミンCや硫化アリルだけはなく、ポリフェノールなどの抗酸化成分も高いと推察されます。
※しかも同じ栽培をしても残留硝酸態窒素が半分以下というデータは特に注目すべき点だと思います。
※ケルセチンは特に玉葱の皮に特異的に多く含まれており、前々回紹介した百笑会の皆様はこの玉葱の皮を原料にしたお茶を製品化されていておられます。ちなみに引く手数多でお困りだとか(^_^) 。
以下はアカヲ専務様がご自身で検定された結果です。
地域 マルチ 外皮糖度 中心部糖度 甘味 辛み 食感
鹿児島/川内 白 6 8 少 少 柔
長崎/南島原 白 6 10 中 中 中
熊本/天草 黒 8 8 中 少 中
静岡/市販品 ? 7 11 多 多 硬
『今年、南島原地区で栽培された玉葱を成分分析いたしました。
実際に食べた感じは甘いのですが、分析では思ったほど糖度が伸びませんでした。
今年は冬の寒さが厳しく、厳寒期の収穫物では糖度が上がらなかったと考えられます。
また、分析の値は球全体の平均値ですが、表皮側と中心部では糖度に差があるので実際の食味とは違うのかもしれません。』
と率直な感想を述べておられます。
このデータが意味するところは、
上記成分分析表と総合して考えれば・・・・・、
◆糖度は中心部と外皮部では中心部が糖度が高い傾向があること。
◆(サンプル数が少ないので断定できないが)マルチの種類はあまり食感に反映されないようであること。
◆糖度のばらつきが大きいことから青果としての初期糖度は天候や肥培管理に大きく左右されうること。
◆スーパーアップは初期糖度は低いけれど、切断して時間をおいて辛み成分が変化した場合や乾燥させて辛み成分が飛んだ場合は逆にすごく甘くなります。これは自分の舌で体験しております。(ちなみに、加熱処理すると辛みはなくなりますが、有効成分が変成分解するといわれています!)
したがって、初期糖度=見かけの糖度の低さは食感上他の早生玉ねぎと比べると弱点にはならないようです。粉末スーパーアップがとても甘いことを示していただいた百笑会様のデータを考えると 、早生新玉ねぎでありながら辛み度が高いが故に、調理すれば旨味や甘味が増えて逆に食感が良くなるのだと考えられます。
検体サンプルとしてつかわれた、茎葉が非常に立派なスーパーアップ
今一度スーパー超極早生スーパーアップの玉ねぎの特長をまとめると
◆日本一低温肥大性があり、極早生系では最も早く安定して収穫できる (早太り性)
◆早生玉葱特有の甘味や美味しさは加工、調理したときに著しく発現される (うま味)
◆ビタミンCが一般の新玉ねぎの2.3倍。残留硝酸態窒素が半分以下。しかも総合的な抗酸化力が高い。(抜群の機能性)
ということが言えると思います。
※詳細は書けませんが、スーパーアップを超える品種が開発されつつあります。 上記のデータより一段とすごい能力を持つ新品種です。 乞うご期待!